八代の被災地を視察してきました。
2026/09/24
先日、八代市役所周辺から氷川町にかけて、被災地状況を見て回りました。
八代市役所周辺では、外から見る限り全壊している建物はそれほど多くありませんでした。
ただ、非常に印象に残った光景がありました。
RC造の建物が大きく傾いている一方で、道路を挟んだ向かい側に建つ年数の経過した木造住宅には、外観上大きな被害が見られない。
「なぜ、こんなことが起きるのか」
現地で何度もそう感じました。
後から調べると、八代周辺には千拓によって形成された土地もあり、今回の被災地域周辺では液状化も確認されているようです。
もちろん、建物が傾いた直接的な原因や構造性能については、外から見ただけでは判断できません。
それでも今回強く感じたのは、
「耐震等級3だから大丈夫」
という言葉だけでは、家族の安全を語れないということです。
どれだけ建物そのものの耐震性能を高めても、その建物が建つ「土地」があります。
地盤はどうなのか。
その土地は昔どのような場所だったのか。
水害や液状化の可能性はどうなのか。
ハザードマップだけでなく、地勢や土地の成り立ちまで含めて考える。
これからの家づくりでは、今まで以上にそこまで踏み込む必要があると痛感しました。
そして、さらに衝撃を受けたのが氷川町の一部エリアです。
大きく損壊した建物が連なり、年数の経過した住宅も非常に多く見受けられました。
建物を失う。
インフラが止まる。
そして、そこからもう一度生活を作り直さなければならない。
「復旧」という二文字では到底表現できないほど、大変なことだと思います。
現地では片づけなどの作業をされている方々もいらっしゃいましたが、
とても軽々しく声を掛けられる状況ではありませんでした。
そして建築に携わる人間として、これから先のことも考えました。
被災した住宅を一軒一軒元通りにすることだけが、「復旧」なのだろうか。
自力で住宅を再建することが難しい方もいる。
高齢になってから、新たに住宅ローンを組むことが難しい方もいる。
これからの建築費がさらに上がれば、元の場所に家を建て直すという選択肢そのものを持てない方も出てくるかもしれません。
だったら、
「安全で、暖かく、少ない光熱費で暮らせる高性能な賃貸住宅」
という選択肢を、地域につくれないだろうか。
災害公営住宅という行政の仕組みとは別に、民間の建築会社だからできる復旧の形もあるのではないか。
耐震性を確保する。
断熱・気密性能を高める。
冷暖房費を抑える。
高齢になっても暮らしやすくする。
そして、災害時にも生活を立て直しやすい場所につくる。
「とりあえず住める家」ではなく、
被災する前よりも、安心して暮らせる住まいをつくる。
今日現地を見て、そんなことを本気で考えるようになりました。
もちろん、一工務店だけでできることには限界があります。
行政、金融機関、土地所有者、建築会社、地域の企業。
いろいろ人たち力が必要になると思います。
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